伊藤トオル|写真集『CUT UP - A Series of Deconstruct Vol,3 Hong Kong,Macau,Taiwan,Korea,Okinawa』
伊藤トオル 写真集
『CUT UP - A Series of Deconstruct Vol,3
Hong Kong,Macau,Taiwan,Korea,Okinawa』
写真・伊藤トオル
表紙デザイン、コラージュ・櫻井園子
オールカラー・B5・334ページ
発行日|2026年5月10日
発 行|カシカ舎
「風景は、一度きりの光景ではない。それは、記憶の中で幾度も繰り返される断片の堆積である。
かつてウィリアム・バロウズは「Cut Up」の手法を用い、言葉を切り刻み、再構築することで隠された真実を暴き出そうとした。
私の写真もまた、一つの風景を単一の記録として捉えることを拒絶する。ここに並ぶのは、反復されるイメージの断片だ。しかし、それは単なる複製ではない。繰り返されるたびに生じる微かなズレ、色彩の揺らぎ、構図の変容、その差異の中にこそ、私が捉えたい記憶の本質がある。
記憶とは単一の静止画ではなく、似たようなシーンが幾重にも重なり、少しずつズレながら蓄積されていくものだ。
カットアップが物語の連続性を断ち切るように、私は風景の連続性を断ち切り、再配置する。
私自身もこの反復の迷宮を彷徨う中で、既視感と未知の感覚が交差する風景の地平に立つ。
そこに立ち現れるのは、もはや記録された風景ではない。記憶が生成され続ける、その運動そのものなのだ。」
profile | 伊藤トオル Ito Toru
写真家 宮城県多賀城市生まれ。23歳の時にコマーシャルスタジオに勤務し、樋口徹氏に師事する。1987年からフリーランス。1995年、初の写真集『KUMANO』を出版し、その年に出版された優れた写真集10冊に選ばれる。1997年「写真新世紀展」優秀賞(森山大道選)、翌年年間特別賞受賞。宮城県芸術選奨新人賞受賞。2001年、仙台の街を1万枚の写真で記録するプロジェクト「仙台コレクション」を立ち上げ、代表を務める。「仙台コレクション」は現在、世界約150カ国を巡回する写真展(国際交流基金企画)に参加している。2016年1月、store15nov(仙台)にて写真展「ナミトツブ complementarity」を開催。2016年、宮城県芸術選奨受賞。写真集に『夏芙蓉 okinawa2003』(2004年)、『without records』(2012年)、『舞踏家 伊藤文恵』(2014年)など。現在までに写真集4冊、共著3冊を刊行。写真個展、グループ展多数。
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